先日、キャンピングカーのアルミホイールについて、我が家は安全性を第一に考慮した結果、鉄チンでいく事を書いたばかりですが…
そのエントリーに頂いたコメントで、「ホイルインチアップが制動力の低下につながる事を認識する事が重要」との趣旨のコメントを頂き、かなり気になったので、調べてみると…
Contents
ハイエースドレスアップの主役=インチアップ
ハイエース関連の足回りをちょいとググれば山のようにでてくるのは、やはり16インチへのインチアップ(ホワイトレタータイヤの比較性能等)と、アルミの話題で花盛りです。
インチアップを簡単に考えて良いものか
インチアップを考える場合、前回エントリーの通り、アルミホイールの強度の問題に加え、タイヤの問題が発生してきます。考えられる考慮すべき点としては、ハミタイ(ボデーのフェンダーからはみ出したタイヤは車検不適合)、インチアップに伴うブレーキ制動力の低下、耐荷重の問題の3点があると思われます。
ハミタイの問題
ハイエースのホワイトレタータイヤへのインチアップで真っ先に問題になるのは、いわゆる「ハミタイ」の問題があります。
特に、NASCARのホワイトレターの字の厚みが他のホワイトレター(YOKOHAMA PA-03、TOYO H20)に比べると厚いらしく、普通に装着すると字の部分のみハミタイするとの事らしいです。
字の厚みが一番薄いのはYOKOHAMA PA-03らしいとの情報がネット上に上がっていますが真偽の程は分からないですが、どうしてもホワイトレタータイヤが!っていうなら、ヨコハマにしておいたほうが無難かもしれません…
なお、平成29年6月に施行された、「回転部分の突出禁止規定」(独立行政法人自動車技術総合機構)によると…
1.改正概要
(1)自動車の検査等関係
① 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(平成 14 年国土交通省告示第 619 号)等の一部改正に伴う改正
○ タイヤのラベリング等の厚み部分については、タイヤの突出禁止規定の対象外とします。(7-26、8-26)
自動車が直進姿勢をとった場合において、車軸中心を含む鉛直面と車軸中心を通りそれぞれ前方 30°及び後方 50°に交わる 2 平面によりはさまれる走行装
置の回転部分(タイヤ、ホイール・ステップ、ホイール・キャップ等)が当該部分の直上の車体(フェンダ等)より車両の外側方向に突出していないもの。この場合において、専ら乗用の用に供する自動車(乗車定員 10 人以上の自動車、二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車及び被牽引自動車を除く。)
であって、車軸中心を含む鉛直面と車軸中心を通りそれぞれ前方 30°及び後方 50°に交わる 2 平面によりはさまれる範囲の最外側がタイヤとなる部分につい
ては、外側方向への突出量が 10mm 未満の場合には「外側方向に突出していないもの」とみなす
出所:いづれも「回転部分の突出禁止規定」(独立行政法人自動車技術総合機構)
どこをどう読んでも
ホワイトレター部のハミタイはOK
ハミタイ10㎜以内ならはみ出してない事にしちゃえ。
と、読めますが…上記赤字部をよーく見ると…、専ら乗用の用に供する自動車(乗車定員 10 人以上の自動車、二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車及び被牽引自動車を除く。)
であって。。。とあります。
しっかりと理解すると、ハイエースバンは4ナンバー、1ナンバーの貨物車両ですので、「もっぱら乗用の用に供する自動車」が今回の規制緩和の対象であり、ハイエース関係ないぢゃん…
で、更に…「乗車定員10人以上の自動車を除く」とあります。…要はハイエースワゴンもダメって事になります(笑)
で、我が家の8ナンバーはどうかと言うと…ここからでは全く読み取れなかったため色々とググってみたところ…
と言うブログで言及されていました!(リンクさせていただきました。失礼致します)
関東運輸局に問い合わせてみた結果としては、8ナンバーへの架装前のベース車で判断。
との事。
チーン。てことで、あまりホワイトレターのインチアップ最&高! て事で、FLEXあたりに踊らされてもどうなんだろ。って事は肝に命じておいたほうが良さそうですね…
インチアップによる制動力低下の問題
ホワイトレタータイヤへのインチアップに伴うハミタイ問題は、車検時にノーマルタイヤに付け替える、ヨコハマならOK(未確認)、NASCARでも大丈夫の場合アリ。と色々あるので、まぁ自己責任で。と言う事になりますが…
やっぱり気になるのは安全面。前回エントリーでは、架装後3トンオーバーとなった我が家のキャンピングカーを支える足元は、数値上は問題ないとはいえ、やはりアルミホイールでは甚だ心配との結論に至っています。
そこに来て更に、インチアップは制動力低下を招く。とのコメントを頂き調べてみると…
基本的考え方
タイヤ外径と制動力の関係
基本的に制動力に関しては、「タイヤ外径が大きくなればなるほど、ブレーキの効きは悪くなる」。と言う事のようです。(参考:アドヴィックスセールス 雑学講座72 タイやとブレーキ。を参照)
インチアップによりたとえば、5% タイヤ外径が大きくなれば5%ブレーキの効きは悪化する。と考えると良いようです。
タイヤ外径は、まさに断面幅、扁平率、ホイールリムにより決定されます。
ちなみにハイエース純正タイヤは
195/80R15 | 693mm |
です。(693㎜は外径)
インチアップをすると、当然断面積と、ホイールリムの数値はアップしますので、扁平率を下げないと、ブレーキの制動悪化を招く。と言う事が言えます。
バネ下重量増が与える影響
また、バネ下重量アップが与える悪影響についても考慮する必要がありそうです。
一般的によく言われる事として、「バネ下重量1kgの軽量化は、バネ上10kgの軽減に相当する」という、アルミホイールのメリットとして語られます。(詳しくはこのサイト(Motorz:バネ下1kgの軽量化はバネ上10kgの軽量化?気になる効果を車種や用途別に考察する。)に詳しいですので、ご一読を。
これは逆にいうと、「バネ下重量1㎏の増量は、バネ上10㎏の増量に相当する」と同義という事になります。
一般的には、ホイールが1インチアップするごとにホイール1本当たり1キロ位の重量増加になる。と言われているらしいです。
従って、15→16インチにすると合計で4キロの重量増加。
バネ下1キロの重量増加は、積算加重10キロ位に相当するとすると、この場合は40キロ位の積載加重と同等とのことのようです。
17インチにインチアップすると80㎏のバネ上増と言う事になります。細めのおねーちゃん2人分、そこそこガタイの良いアンちゃん1人乗車させているのと同じになる。って事は覚えておいて損は無いかと。
人気3種ホワイトレタータイヤは?
そこで、まずインチアップの最初の候補となる、GOOD YEAR/NASCAR YOKOHAMA/PA-03 TOYO/H20 それぞれのタイヤ外径をみてみると
【GOOD YEAR / NASCAR】
ハイエース純正 | 195/80R15 | 693mm |
15inch | 195/80R15 | 694mm |
16inch | 215/65R16C | 686mm |
17inch | 215/60R17C | 691mm |
【YOKOHAMA/PA-03】
ハイエース純正 | 195/80R15 | 693mm |
16inch | 215/65R16C | 686mm |
17inch | 215/60R17C | 690mm |
【TOYO/H20】
ハイエース純正 | 195/80R15 | 693mm |
15inch | 195/80R15 | 693mm |
16inch | 215/65R16C | 683mm |
17inch | 215/60R17C | 689mm |
18inch | 225/50R18C | 686mm |
と、当然の結果ですが、ハイエースの履き替え需要として各社展開しているため、ホワイトレターを選んでいる分には、ブレーキ制動力低下の心配はしなくて良さそう。と言う結果となりました。
インチアップ時の荷重指数を考える
続いて、我が家のような3トンオーバーのオバケハイエースの場合、気になるのがタイヤの荷重指数になります。もう何度も触れていますが、純正のハイエースのタイヤ情報は以下の通りとなります。
①:断面幅(横幅)㎜
②:扁平率 数値が大きいほど厚いタイヤとなる %
③:インチ 15インチラジアルの略
④:ロードインデックス。これが耐荷重。フロント/リア の表記。107は1本のタイヤで975㎏、105は925㎏の耐荷重の意味。フロント107、リア105で、3800㎏の重量を4本のタイヤで支えることが可能の意味。
⑤:速度表記。Lは120㎞/hが最高速度
⑥:LTはライトトラック(小型貨物車)用
最も重要なロードインデックスですが以下の通り一覧表でご確認下さい。
LI値 | 負荷能力 | LI値 | 負荷能力 | LI値 | 負荷能力 | LI値 | 負荷能力 |
62 | 265kg | 77 | 412kg | 92 | 630kg | 107 | 975kg |
63 | 272kg | 78 | 425kg | 93 | 650kg | 108 | 1000kg |
64 | 280kg | 79 | 437kg | 94 | 670kg | 109 | 1030kg |
65 | 290kg | 80 | 450kg | 95 | 690kg | 110 | 1060kg |
66 | 300kg | 81 | 462kg | 96 | 710kg | 111 | 1090kg |
67 | 307kg | 82 | 475kg | 97 | 730kg | 112 | 1120kg |
68 | 315kg | 83 | 487kg | 98 | 750kg | 113 | 1150kg |
69 | 325kg | 84 | 500kg | 99 | 775kg | 114 | 1180kg |
70 | 335kg | 85 | 515kg | 100 | 800kg | 115 | 1215kg |
71 | 345kg | 86 | 530kg | 101 | 825kg | 116 | 1250kg |
72 | 355kg | 87 | 545kg | 102 | 850kg | 117 | 1285kg |
73 | 365kg | 88 | 560kg | 103 | 875kg | 118 | 1320kg |
74 | 375kg | 89 | 580kg | 104 | 900kg | 119 | 1360kg |
75 | 387kg | 90 | 600kg | 105 | 925kg | 120 | 1400kg |
76 | 400kg | 91 | 615kg | 106 | 950kg | 121 | 1450kg |
ちなみにホワイトレタータイヤ3メーカーのロードインデックスを見る限り、ほぼ3社とも、インチアップによる、耐荷重不足に対応し、109/107(4010㎏)を確保しており、LT規格の人気ホワイトレタータイヤを選んでいる限り、耐荷重に関しても心配要らないとの結果を得ています。
タイヤインチアップは人気のホワイトレタータイヤであれば問題なし
と言うのがざっと調べた結果となります。但し、ハミタイの問題があるので、NASCARは△
巷の評判がとにかく良いYOKOHAMAが選ぶのであれば第一候補。派手なファイアー柄が気に入ればTOYOも(TOYOは表裏両方装着可能ですので、恥ずかしかったら逆装着も可)選択肢に。と言う事になるかと。
ただし、やっぱりアルミホイール選びはキャンピングカー架装をしているハイエースの場合、慎重に慎重を期した方がやっぱり良いかと。
我が家は、タイヤ自体の問題は無いにせよ、やっぱりアルミホイールが不安で鉄チン運用は変わらないかな。。。
そうなると、ホワイトレター+DAYTONAホイールて、鉄板の組み合わせになるかなぁ。やっぱり・・(と、タイヤ替えたい病がむくむくと)