ハイエース4型後期ディーゼルのAdBlueはどう運用すべきか?

ハイエース4型後期(4.5型、5型)のディーゼル車は、次世代クリーンディーゼルエンジン(1GD)の排ガス浄化システムとして「尿素SCRシステム」を採用しています。そのため、高品位尿素水(AdBlue)の定期的注入が必要となります。

今後、ハイエース5型ディーゼルに乗る方は、尿素と絶えず付き合っていく事となります。

では、この高品位尿素水AdBlueの補給方法としてどう運用していくのがベターな選択なのかを考えて行きたいと思います。

まずはハイエース5型の1GDエンジンの簡単なおさらい

今回一部改良となったハイエース(一部改良と言うにはエンジン載せ替えであり、ほぼマイナーチェンジと言っても良いへん、顔が変わらない限りマイナーチェンジとは呼ばないと言うトヨタの規定があるそう。)のエンジンは、先に発売されたランドクルーザー、ハイラックスと同じGD系のエンジンが搭載されました。

ただし、ランクルやハイラックスと同じエンジンを搭載しているにも関わらず、そのトルクや出力は前の1KDと何も変わらず…

今回のハイエース200系一部改良「通称5型」が発表されるとともにキャンパー特装の仕様も明確になり、TSSP非搭載、スパロン4WDディーゼル設...
待望のスーパーロング4WD ディーゼルが設定となった今回の一部改良(通称5型。厳密には外の顔が変わらないので5型とは呼ばないそうです。)です...

↑その辺の事情は前のエントリーに詳しめに説明しています。

で、その次世代クリーンディーゼルエンジンGD系は、特に欧州車を中心に採用されている「尿素SCRシステム」というしくみを搭載しています。

この尿素SCRシステムてのを説明するために引用…

尿素SCRシステムとは、アンモニアを使って窒素酸化物(NOx)を減らすための、排気ガス浄化システムのことです。軽油などを燃料とするディーゼルエンジンに用いられます。ちなみに「SCR」とは「Selective Catalytic Reduction」の略で、「選択的触媒による還元」という意味です。

ディーゼルエンジンは低燃費でパワーがあるため、トラックやバスなど大型車両に多く用いられます。しかし排ガスは厳しく規制されるようになり、特に、ディーゼルエンジンの有害な排出ガスである窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)は削減のための取り組みが行われてきました。 そのために用いられる浄化技術が「尿素SCR」です。エンジンをよく燃える高温設定にして粒子状物質を減らし、排気管側に触媒を取り付けて窒素酸化物を低減することで、排気ガスを浄化します。

窒素酸化物は窒素と酸素の化合物です。そのため、窒素酸化物から酸素を奪ってやることで無害な窒素に変えることができます。しかし、排気ガス中には未燃燃料や一酸化炭素だけでなく、酸素も多く含まれているため、未燃燃料や一酸化炭素はこちらの酸素と結合してしまいます。 つまり、排気ガス中の成分だけでは、窒素酸化物から酸素を奪うことはできません。

そこで有用なのが、アンモニアです。アンモニアは窒素酸化物の酸素と結合する性質があり、窒素酸化物にアンモニアを吹きかけることで化学変化を起こして窒素(N2)と水(H2O)に還元されます。外部から排気ガス中にアンモニアを加えることで、窒素酸化物を浄化するという仕組みです。 とは言え、アンモニアは取り扱いが難しく危険なため、バスやトラックにそのまま積み込むわけにはいきません。そこで、まずは尿素水の形でタンクに貯蔵しておきます。尿素自体は化粧品などにも含まれる無害な成分です。

尿素水はエンジンの排熱で加水分解されるため、排気ガスに吹きかけることで、アンモニアガスになります。要するに、尿素SCRとは、尿素を外部から供給することでアンモニアを発生させ、排気ガス中の窒素酸化物を浄化するというシステムのことです。

出典:モノタロウ尿素SCRシステムの仕組み 

分かったような分かんないような説明ですが、要はディーゼルの排気ガスに含まれる有害物質の窒素酸化物(Nox)に尿素を吹きかける事で化学反応を起こさせ、無害な窒素と水に分解し排出させるためのシステム。がハイエースに載った。と言う事で認識しています。

で、その吹きかけるための高品位尿素が、AdBlueと言う液体で、こいつを絶えずGD系エンジンは吹きかけているという事になります。

絶えず吹きかけているという事は、絶えず減って行くと言うやっかいなブツでして、およそ1,000㎞走行で1ℓのAdBlueが消費されて行きます。

更にやっかいなのは、このAdBlueがカラになると、ご丁寧にエンジンがかからない仕組みになっているという代物…

ハイエースのAdBlue運用

まぁ、1,000㎞で1ℓの消費であるならば、オイル交換かなんかのタイミングに一緒に補充すれば何の問題もないだろ…と、タカをくくっていたのですが、これも発売されてみて気付いたのですが。

ハイエースはボンネットレスのためAdBlueを入れて置くタンク容量が7.4ℓと、とてつもなく小さい事が…

ハイエースのボンネット。冷却水、ウィンドウォッシャー液に挟まれて小さく小さく鎮座しているのがAdBlueのタンク…ちっちぇ…絶望的に小っちゃい

ちなみに、ランクルは12ℓ、ハイラックスは13ℓ、ハイエースバンは7.4ℓ(笑)いやマジで笑っちゃう位にハイエースはAdBlue容量が少ないです。7,000㎞毎の追加注入が必要なんです。

AdBlue注入のサイン

ハイエースでは、走行距離が5,000㎞になるごと、エンジンをかける度にディスプレイウィンドーにメッセージが表示されます。

7,000km以内にAdBlueを注入するよう、毎回エンジンをかける度に、あと何キロ走行可能かが表示されます

ガソリン残量が少なくなる時に点灯するように、AdBlueマーク?が点灯しっぱなしです

こんな調子で、5,000㎞なんてあっという間、我が家は2か月でアラームが点灯しました。思った以上にめんどくさそう…

AdBlue…どうする?

ハイエース乗りとしては、5,000㎞走行なんてあっという間でしょう。そうなると、その度にディーラーに行くのもメンドクサイし、金額的にも高いだろうし…どんな運用がベターなのか考えて行きたいと思います。

  1. その都度ディーラーで補充を行う
  2. 最近AdBlueの取り扱いが増えて来たGS、カー洋品店で補充を行う
  3. 自身でAdBlueを購入して補充を行う

単純に考えてこの3方法が考えられますが、特に3番目。自身でAdBlueを管理し、減ったら都度補充する方法を行うにあたって、まず、AdBlueの特性を知っておく必要があると思われます。

AdBlueの取り扱い注意事項

人体への影響

AdBlueは尿素32.5%:純水67.5%の水溶性の尿素液です。 純水は当然人体に何の影響もありませんし、尿素も最近は尿素配合肌クリームが発売されているくらいですので、基本問題は全く無いと思われます。

ただ、日本液炭のHPには取り扱いの際の人体に関する注意事項が述べられています。

特別な設備は不要ですが、近くに手洗い場所が必要です。

保護具の着用

給水作業時は基本的には保護具(保護眼鏡、不浸透製のゴム・樹脂製手袋等)の着用が好ましい方法です。作業終了後は水道水で手洗いを必ず励行してください。

ホースの破損注意

万が一、尿素液が手足等にかかった場合は、多量の水で洗い流してください。目に入った場合は15分間以上水道水で洗い流してください。なお、違和感がある場合はすぐに病院で診察を受けてください。

出典:日本液炭HPより抜粋

手袋をして作業を行い、作業後は手洗い励行。手にかかった場合、大量の水で洗い流す。と、極力皮膚には付けない方が良さそう。アンモニアって事ですかね。

一般的性質(保管時の注意事項)

同じく、日本液炭さんのHPに、AdBlueの一般的性質としての温度管理の徹底の重要性が掲載されています。

危険温度

尿素水は、不純物を取り除いた高純度の製品です。このため、給水設備は不純物の混入をさけるさまざまな工夫が折り込まれています。
液は有害性がきわめて低く、燃えにくい性質です。ただし、周辺火災の場合は、160°C以上に加熱されると分解し、アンモニアガスが発生するため注意が必要です。また、-11°C以下で尿素水は結晶化します。

排水溝への廃棄禁止

生分解性が高く魚毒性は低い物質です。ただし、閉鎖性水域では窒素による富栄養化をもたらすため、容器内残液等を雨水排水溝へ廃棄することは絶対に避けてください。

出典:日本液炭HPより抜粋

また、ハイエース、ランクルの専門店でもあるFlexさんのHPにも気になる記述が…

一度外気にさらされたアドブルー(尿素水)は外気温が40度に達すると製品寿命が4ヶ月に縮まってしまいます。常に30度以下で保管することが好ましい

出典:Flex HPより抜粋

以上の専門家からの指摘事項を考えると…

  • 常に30℃以下での保管が必要
    • マイナス11℃で凍る
    • 160℃で毒性の強いアンモニアガスが発生
    • 製品開封後40℃を超える環境に置くと品質劣化が始まる

…個人宅で30℃以下の温度管理を一年中。ってワインセラーが地下にあるなら別ですが、なかなかに厳しい条件です。

こぼすと車にも良くない

さらに、AdBlueの取り扱いで気になる記述が…

車体の水洗浄

尿素水が車体等にかかった場合は、鉄、銅、砲金、アルミ等の製品に対して腐食するため、布で拭き取り水洗浄を行い、付着した尿素水を洗い流してください。

出典:日本液炭HPより抜粋

これはかなり気になる記述。あの小っちゃい注ぎ口、ついこぼしてしまう事もありそう…車にはかなりよろしく無い成分の模様。不器用な自分は誰かに任せたほうが良さそうか…

1.ディーラーにすべてお任せ

ハイエースになんて好き好んで乗っている輩は、ディーラーにお任せ。なんてとてもじゃないけどダメダメ!と考えているのが常でしょう。

どうせ、Adblueをただつぎ足すだけでトンデモナイ技術料を取られるんじゃないか?自分でやったほうが数億倍お得だ。と思うのは当然です。

最初と言う事もあり、僕はまずディーラーに全てお任せしてみました。

まずDに電話し、AdBlue補充サインの点灯とメッセージが出た旨を伝えると、在庫を確認したうえで次の日の入庫予約を。

実際にDに向かい、なんやかんやで30分近く待たされて、無事?補充終了です。

なんと、意味不明の1割引き(笑) 技術料はなしの、1,512円 ここには記載されていませんが、6ℓ入ったと整備の担当者が言っていました

いきなり初っ端からの予想外の展開。とっても良心的なディーラーの対応。当然、こぼしてどっか腐食させるとかの心配ゼロですし、足りない分、満タンまでの補充になるので、5ℓではなく、6ℓと言う点がポイント高いです。

 2.GS、カー用品店で補充

カー用品店の代表的ショップ、オートバックスですが、オートバックスの北九州エリアをカバーしているグループ会社?のエンドレスと言う名前の会社のHP(2018年6月現在)にて、AdBlueの入荷を告知しており、そこでは5ℓ1,899円(税別)との事。

GSでも、取り扱い店舗は増えている模様。全国サービスステーション網を持つ、宇佐美では、トラックステーションにてAdBlueを常備している模様(価格まではHPでは判明しませんでした)

そのほか、ちょいと調べてみても大手はどこも取り扱い店舗を増やしつつある模様。ちなみに、僕がいつも入れているGSでは取り扱っていませんでした。

これらを勘案すると、大手カーショップでのAdBlue補充に関しては、価格的アドバンテージはあまりなさそうと言う事が分かりました。

補充のアラートが2,000㎞前から出る事を考えると、よほどの事が無い限りAdBlueが切れてエンジンがかからなくなる!といった非常事態は起きにくいと考えられるので、特段GSで。に拘る意味も無いかな。ってのが今の所の僕の感想。

3.自身で購入、補充、管理

まぁ、これが一番普通に考えると妥当なんですけど、先ほど来、ずっと述べて来たように、意外と?AdBlueって保管の難しいやっかいなブツです。

ということで、自分で購入、充填、管理を前提にした場合は、最も現実的な運用として、AdBlueの10ℓパックを購入し、開封後4か月以内に使い切る(4か月以内に5,000㎞走行が可能なドライバー)前提条件であれば、一番これがお得という事になります。

さいごに

環境問題が叫ばれている今、ディーゼルエンジンが生き残って行くには仕方ない事。でもやっぱり、余計な手間が増えるのはちと面倒。大した額ではないけど、チリも積もれば…と考えればやっぱり、自分で10ℓ容量のAdBlueを管理運用していくのがベター。

ただ、ディーラーで実際に入れてもらうのも、GSやカー用品ショップで入れてもらうのに比べ大差ないのも事実(むしろ安いし、安心感はピカイチ)自分でかなり繊細な管理を必要とするAdBlue 倍の価格を高いと見るか、4か月スパンでの運用(年3回の注文、四季を通じての厳格な温度管理は必須。補充時こぼすの厳禁。)を絶えず行っていく位ならお手軽ディーラーで。

どっちが良いとは今の所言えませんが、そこはご自身の判断で。

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コメント

  1. みや より:

    こんばんは
    とても尿素が解りやすかったです!
    もっと金額的に高い物だと思っていました。

    15年程前に1台目のキャンピングトレーラーを購入した時
    色々な書き込みでLT用のタイヤが過重指数が高いから安心と見て
    8PRのタイヤにしてみたら今まで感じた事の無いトレーラーの縦揺れに見舞われ
    すぐに元の乗用のタイヤに戻しました。
    その後、仕事で使っている日産キャラバンも当然LTのタイヤでしたが試しに乗用の
    タイヤにしてみるとガツガツ感が無くなり快適でした。
    ハイエースにはXL(エクストラロード)ロードインデックスは99を履いています。
    3.5キロの空気圧で1本約900KGの耐荷重です。
    一概には言えませんが、少し参考にでもなればと思いまして・・・

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