さぁいよいよキャンカーを検討するぞ! となって恐らく最初にぶち当たる壁。それは、キャンピングカーは、「みっともないリーゼントのトラック」だけじゃなくて、たくさんのベース車両があってそれぞれの特徴があるって事。じゃぁ、どれを選べば良いんだ!って所で悩む悩む。
本当に何も知らない所からのスタートです。
Contents
まずはお勉強
犬キャンパーである我が家がキャンピングカーに興味を持ったお話は前回の記事で書きましたが、実際に情報収集を始めてみると、日本ではベースにしているクルマにより、本当に乱暴でおおざっぱに分けて4つのタイプに分類される事が分かりました。
タイプその1…キャンカーといえばキャブコン
キャブコンとはキャブコンバージョンの略。キャブ(運転席部分)を残してコンバージョン(改造。ここでは住居部を指す)したキャンピングカーを指します。ベースとのなる車は、ほぼほぼトラックがメイン。
キャンピングカー関連のHPで良くみるのが居住性云々。個人的には居住性もへったくれもなく、居住性を語る前に車なんだからクルマとしての基本性能だろ。って思っているので、まずはベース車両としてどんなものがあるのかを見て行きます。
CAMROAD
代表的なベース車両は、TOYOTAがキャンカー向けに専用開発したカムロード。Camper(キャンパー)+Roadability(走行性能)の造語。まぁ、なんかサスとか手を入れているようですが、チョイ乗りした感じ、「ザ・トラック」そのもの。カムロードの元になったトラック、ダイナと何も変わりません。乗用車の延長線で考えると、こんなもん話になんないのが正直なところ。キャブコン全般に言える事は、居住性を重視して走りは目をつぶりまくれ。って事なのかと。
いすゞエルフ
後輪ダブルタイヤが好きな人が選ぶベース車。学生の時、2トンロングをはじめとして、いろんなトラックにバイトで乗ってましたが、その時シングル、ダブルどっちも乗った事があるけど、ダブルの方がめちゃくちゃ乗り心地が悪かった記憶があります。更に雪道前提の我が家、いくらパンクに強いって言っても(つかトラックベースのキャブコンはパンクリスクが高いってのが本当かどうか知りませんが良く検索すると出てきます。本当ならかなりガッカリなんですけど…)6本もスタッドレス交換、夏タイヤ保管とか…と、まず我が家では選べないベース車。
マツダボンゴトラック
上記二種のトラックだとさすがにデカい。田舎ならまだしも都市部に住む人には駐車場問題や、狭い道での取り回しが大変…と言うニーズに答える形で「ライトキャブコン」と言われるサブジャンルが存在します。長さ5m未満幅2m未満で抑えた車格。この中で最大の居住性を追求したライトキャブコンは、日本の道路環境を考えた上でとても合理的かと。
そんなライトキャブコンのベースとして選ばれているのがマツダのボンゴ(そのOEMの日産バネット)いやいや、ちっちゃなトラックってのはわかるけど、ボンゴは無し。まぁ走らない走らない。高速道路では10000%登坂車線の住人になっちゃいます。停まっている時の居住性も大事ですが、それ以上に大事なクルマとしての基本性能。この時点で我が家ではボンゴベースのキャンカーは選べません。
ハイエース
ご存知ハイエース。後述するバンコンのベース車両。ハイエース≒バンコンですが、運転席とシャーシー以外の荷室をごそっと架装してキャブコン化したものも存在します。基本貨物車、働くクルマだけど、上に挙げたトラックとは乗り心地の面で行けば雲泥の差。更にハイエースは、働くクルマの側面だけでなく、車中泊のベース車や、サーファーがサーフボードを車内に積んだり、MTB、バイクレースのトランポ(モータースポーツにおけるレースマシンを運ぶ車。トランスポーターの略)として等極めて「趣味性の高い車のベース車両」として確立されているため、アフターパーツ(足回りから、室内の快適化まで)も豊富なのが魅力。
タイプその2 バンコン…ハイエースV.S.キャラバン
バンコンとはバンタイプのクルマをベースにコンバージョン(改造)したキャンピングカーを指し、日本特有のカテゴリーとも言えるタイプです。トラックベースのキャブコンに比べれば、ハイエースやキャラバンですから、貨物車ベースって事で随分と乗用車寄りの乗り味(あくまでも「寄り」であって乗用車では決してない点は注意)になっているのがミソ。荷室の部分を居住部として改造するのが前提ですので、高さも幅も出し放題のキャブコンに比べて居住性はかなり劣るのが実情です。
まさに、居住性のキャブコン。走行性のバンコンなのかと。
ハイエース
ご存知TOYOTAが誇る世界の働くクルマの代表格。10万キロ走行なんてあたりまえ、20万、30万キロも平気で走る堅牢さがウリです。友人が前に社用車で乗っていたハイエースですが、マニュアル車で10万キロ走ってもクラッチ板の交換すら必要なかったそう。ちなみに、同時購入したキャラバンは…
そのシンプルな構造と堅牢さ故に、盗難車両No.1の名を欲しいままに。全部ばらして東南アジアに持って行って再度組みなおして元気に30万キロ走っているそうです(苦笑)
NV350キャラバン
ハイエースに対抗して日産が展開している働くクルマの代表格。未だハイエースがオプション装備でしかないLEDヘッドライトの採用や、インテリジェント エマージェンシーブレーキの標準装備や、まさかのインテリジェント アラウンドビューモニターまで設定と、安全装備でライバルの2歩も3歩も先を行っているのが魅力。ハイエースが5型、300系でどこまでキャラバンに追いつくか分かりませんが、現代のクルマに求められる「快適且つ安全」を積極的に展開している点は魅力的。横や後ろが見にくいどころかほぼ見えないと言っても良いキャンピングカーにとって、この装備は運転する安心感に即直結します。
他にもバンベース車両として、三菱自動車のデリカD:5やフォルクスワーゲンT6カリフォルニアなどをベースにしたものもありますがここは便宜上2大勢力のハイエースとキャラバンを紹介しました。
タイプその3 バスコン
バスコンとは名前の通り、バスを改造してキャンピングカーにしたタイプです。そりゃバスですから広い広い。ライトキャブコンだ、バンコンだとチマチマやってる輩ははなから相手にしてません。デカいぞ広いぞ! て一体こんなデカいの置くトコないつーの…て事で検討対象外です。
タイプその4 軽キャン
バスコンと対極。軽トラをベースにしたキャンカー。取り回しの良さやお財布に優しい値段等で最近人気。我が家も検討を始めた当初、今のLevorgを残してセカンドカーに。と思ったんだけど、デカい二人(僕179㎝ 横もデカい。ツレ170㎝)がダイネット(キャンピングカーのダイニングに当たる椅子とテーブルが設置してあるスペース)に座ると、まさに「シルバニアファミリー状態」(-_-) ソッコーで諦めました。
キャブコンかバンコンかの2択に
ベース車両を見て来ましたが、我が家のキャンピングカー選択肢としてはキャブコン(ライトキャブコン除く)かバンコンの2択と言う所に落ち着きそうです。
キャンピングトレーラーも考えたのですが、置く所無いし、トレーラーホームをけん引しながらのバック駐車なんて最早曲芸。トレーラーを置いて自家用車でどこでも行ける利点はありますが、SAや道の駅でトレーラーを置いて行く行為がマナー違反として白い目で見られています。そうなるとトレーラーホームをキャンプ場にしか置いて行けないとなると、極端に行動が制約されそうなので検討対象外となりました。
キャブコンかバンコンか?の答えは次のブログの記事でしっかり自分の考えを述べたいと思いますが、日本における二大潮流のキャブコンかバンコンに落ち着くのは当然の結果かと。
キャンピングカーの代表的室内構成
キャンピングカーの基礎知識。ってタイトルなのに、車種の説明ばっかりなのに今頃気付いたので、復習を兼ねて、キャンピングカーを構成する室内設備をおさらいしておきます。
ダイネットとギャレー
キャンピングカーに興味を持たなければ一生目にする事も、口に出す事も無い単語。ダイネットとギャレー。
ダイネットはテーブルとイスから成るリビングに相当するスペース。
ギャレーはキッチン。
の事。なんでこんな分かりにくい呼び方をするんでしょうね?いろんな分野に言える事なんだけど、その領域でしか通用しない用語がどれだけ敷居を高くしているのかを売る側は分からないんだろうか…
ダイネットとは主に食事をしたり寛いだりするダイニングスペース。レイアウトにより異なるが、テーブルを中心に対座できるようにシートが配置されている場合が多い。シートの配置により、二の字型、コの字型、L字型などと呼ぶ場合がある。また、デザイン性を重視したラウンジ形状を持つものもある。スペース効率を高めるため、2列目シートを、走行時は前方方向に、ダイネット構成時は後ろ向きにセットできるようにFASPシートを採用しているケースも一般的である。また、ダイネットはシートをフラットにセットすることでベッドに展開できるよう考えられているケースがほとんどである。
ギャレー(英語: galley)とは船、潜水艦、列車、飛行機内で食べ物の調理や準備をする場所である。 地上にある海軍基地のキッチンもギャレーと呼ばれる。 日本でのギャレーは旅客機内のキッチンが最も一般的だが、キャンピングカー、プレジャーボート、ヨットの用語としても使われており、鉄道車両の厨房を意味することもある。
出典:Wikipedia
とにもかくにも、ダイネットとギャレーの位置をどのように構成するかがキャンピングカービルダーの腕の見せ所で、本当に様々なレイアウトがある。この辺は完ぺきに好みなので必ず実際に乗ってみて座ってみて確認しないとエラい目にあいます。
ほぼ、カタログは広角レンズで光たっぷりで影を消して広めに撮ってあるけど、実際に座ってみたりするとなんでこんなトコにギャレーがあんの?マジで使う人の事考えてんの??なんてのが有名なビルダーのクルマにもごろごろ。
就寝スペース
キャンピングカーで重要な要素は就寝スペースの確保。狭い空間の中で寝るスペースを確保するために主に採られている方法は以下の3つになります。
- 常設ベット
- ダイネットをベット展開
- バンクベッド
1 常設ベッドは、主にダイネット空間の後方。クルマの一番後ろ側に人が寝れるスペースを確保してあるものを指します。クルマの横幅方向を利用するものと、縦方向を利用するものの2種類があります。
横幅方向を利用したベッドスペースは、キャンピングカー自体、1.7~2.1m程度の車幅ですから、そうそう長さを取れません。通常家で寝ているのベッドの長さは195㎝が標準ですが、キャンピングカーでそこまで確保出来るクルマはあまり存在しません。今まで見て来た中では160㎝~190㎝の間でベッドスペースを確保しているものが殆どかと。
僕は日常的にエビの様に丸まって寝てるので、長さに関してはそこまでシビアでは無いですが、やっぱり最低180㎝は確保されてないとキツいです…
縦方向を利用した常設ベッドは、ベッドを進行方向縦向きにレイアウトしたタイプ。縦向きにレイアウトするため、当然ダイネットは圧迫される結果に&幅が取れないので二段ベッドになるので、正直あまりメリットが感じられないレイアウト。
ただ、特にハイエースの場合、ベースになる車両が幅でナロウ(1,695㎜)とワイド(1,880㎜)の2種類あり、どんなに頑張ってもナロウベースの車両でベッドを横向きにレイアウトは無理なので、縦方向アレンジにならざるを得ない側面もあるのかも。
2 ダイネットをベッド展開するタイプは、寝るときにリビングのシートをアレンジして就寝スペースを作り出すタイプ。後部に常設されているベッドだと、ソロ~夫婦二人ならそれで全然問題ありませんが、子供2人の4人家族とかなった途端に、寝る場所が足りなくなります。そんな時のために、合体ロボみたいにシートをガチャガチャいじくって、テーブルを仕舞って就寝スペースを作り出します。
ちなみに我が家では酒飲んで眠くなってそのまま。ってパタンが多くなりそうな事を考えると、ダイネットをベッド展開するのがマストなレイアウトのクルマはかなりキツイと思われます。
3 バンクベッドは、いよいよ出て来た僕がいつも言っているキャンピングカーのイメージ「みっともないリーゼントみたいな変なトラック」のリーゼント部分(笑)。実はここは人が寝るスペースでした(笑)
みっともない。と一言で片づけてしまうには惜しいキャンピングカーの工夫の結晶の様なしかけがバンクベッドともいえます。
ベッドスペースを運転席の上に設置する事で、居住スペースを目いっぱい広く取る事が出来るのがなによりの強み。広々リビング、本格的キッチン、驚異の収納、トイレやシャワーまで設置可能なスペースが確保できます。
また、後部に常設ベッドを配置した上で、バンクベッドがあるレイアウトですと、夫婦二人の場合は、バンクベッドが巨大な収納スペースに早変わりし、友達やら親やら急に寝る人数が増えた場合、リビングスペースを就寝スペースにするためにシート展開なんて「面倒くさい」事無しに、寝る事も可能です。
ともに出典:VANTEC ZIL HPより ←とにかく必見。バカみたいに広くて豪華(笑)
みっともないリーゼント。なんて言って来ましたが、何度も何度も見ているうちに、これぞキャンピングカーの機能美。これこそがキャンカー!なんて思う様になって来たから不思議。
その他キャンピングカーならではの装備
他にもキャンピングカーならではの装備として、代表的なものとしては以下の様なものがあります。
- FFヒーター
- エンジンを止めても、ガソリンを燃料に動かせるヒーター。こいつがあると真冬でもTシャツイッチョで車内にいれる位温かいらしいです(薪ストでもよく聞かれる「Tシャツイッチョ」真冬なんだからTシャツイッチョでいる必要性なんてゼロな事ちょっと考えれば分かる(失笑))ここでのポイントはTシャツイッチョじゃなくて、エンジンを切っても微弱の電気で動くヒーターってとこ。
- マルチルーム
- 大き目のクローゼット。内部を防水にしてトイレを常設したり、コートなどの長尺衣料をかけたりと好きに使って。と言うスタンスだけど、こいつがあると後ろが殆ど見えないというかなり設置すべきかどうするか迷うブツ。
- サイドオーニング
- キャンカーの脇、ドアの上部に付けるタープ。キャンプ場に着いたら、サイドオーニングを拡げて、その下にテーブルとイスをセッティングすればアッと言うまのリビングが完成します。このパパっと感、かなり良いですが、SAや道の駅ではマナー上使えないので、意外と使うシーンが無いとの声も。
- その他
- 冷蔵庫(40ℓ~70ℓ位まで)
- カーテン(遮光、断熱)
- エアコン(バッテリー事情と利用頻度と設置スペース(室外機含む)を考えたら全く要らない)
- ルーフベント(車内の空気を排出し、外からの空気を取り入れるファン。夏場の車内の籠った空気を外に出すために絶対に必要)
- 電子レンジ(個人的には全く要らない。コンビニの弁当を温めて食うならコンビニで暖めりゃいいだろ)
- TV(これも個人的には要らない。カーナビのTVで十分)
- 下駄箱、傘入れ(ま、あれば良いけど別に無くても)
- サブバッテリーとインバーター(電気製品使うなら必ず必要)
- ソーラー発電機(冷蔵庫を動かす程度とはいえ、あるとないとでは大違い。電源マネジメントがキャンピングカーのキモっぽいので、絶対必要だと思っている)
さいごに
いよいよ我が家のキャンピングカーを選ぶ段に入ります。まずはキャブコンかバンコンかについてこれまた個人的見解を次に述べたいと思っています。