北海道の絶景といえば
パッチワークの丘美瑛、青い池、四季彩の丘のお花畑、富田農園のラベンダー畑といった富良野・美瑛エリアだったり…
神威岬の積丹半島だったり…
知床羅臼の圧倒的な大自然だったり…
釧路湿原の雄大さだったり…
洞爺湖、支笏湖、屈斜路湖、阿寒湖(オンネトー)、然別湖等の息を飲むような美しい湖だったり…
函館山からの夜景、札幌のホワイトイルミネーションだったり…
と、挙げて行くとキリが無い「絶景の幕の内弁当」状態なのが、北海道のそもそもの魅力の1つではあるのですが、道南日本海沿岸エリアもそれぞれ規模は小さいですが味わい深い絶景が点在します。
函館を起点とした北海道(ほぼ)一筆書きの旅、それでは日本海追分ソーランラインとも呼ばれる絶景ドライブルートへ足を進めていきましょう!
Contents
日本海追分ソーランラインとは
日本海追分ソーランラインとは、日本海側(津軽海峡)函館市から小樽市を結ぶ国道228号、国道229号、国道5号の愛称となります。函館を起点とした場合、左回り北海道一筆書きの最初の絶景ロードを指します。
ちなみに、本ブログでは道南エリアを寿都町辺りまでと定義している関係上、ここでは函館~寿都までの絶景スポットとさせていただいています。
松前~上ノ国~江差エリア
松前町のレストラン矢野で海苔だんだん弁当を食べてから、いよいよソーランラインのドライブのスタートです。松前から上ノ国エリアに関しては、道の駅上ノ国もんじゅを目指します。
文化遺構 石崎漁港トンネル
石崎漁港トンネルは、世界的に見ても珍しい船専用のトンネルとして建設されたものですが現在は使われておらず、その姿からは、うっすらと昔を偲ばせる佇まいですが、一度は足を停めてみるのも良いかと。

かつてはここを漁船が通って漁港から海に出ていたのです。なんてことないトンネルですが普通のトンネルの利用方法を考えるとこのトンネルの特殊性が分かります
道の駅上ノ国もんじゅ
現在、北海道の道の駅は129箇所あり、うち125箇所制覇していますが(2025年現在)「絶景ポイント=道の駅」と呼べるのはここ道の駅上ノ国もんじゅだけだと思います。
絶景ポイントの前に、上ノ国町といえば何と言ってもブラックシリカです。
ブラックシリカは北海道上ノ国町神明地区を流れる、天の川で産出する鉱物で、およそ数億年前から海底に堆積した珪藻類が化石化したものだといわれています。世界でこの地だけで採れる石で、珪素の中に豊富な天然ミネラルと黒鉛化した炭素が含まれています。そのため、遠赤外線を放出する効果に優れているため、現在様々な健康器具に使用されております。
というありがたいような胡散臭いような石ですが、風呂に入れると遠赤外線効果抜群とのこと…

道の駅の売店。海産物を差し置いて、かなりのスペースを占めていたありがたい石

かにめしも至る所で売ってますがご多分に漏れずこちらでも名物として売られていました。まぁ、長万部に近いっちゃー近いので是非
神の道
神の道(かんのみち)は、道の駅の裏手(海側)に拡がる崖状になっている磯場一帯(大澗ノ崎)の「窓岩」へ続く石段の遊歩道を指します。奇岩の続く険しい絶景は絶対に立ち寄りたいポイントのひとつです。

鳥居の下が侵食されて穴が空いているのが窓岩

紙の道説明看板のある場所は険しい階段が続く

神の道の説明

気持ちの良い日本海の景観
幕末ロマン 開陽丸記念館・かもめ島 (江差エリア)
道の駅上ノ国もんじゅから車で約15分の所に、開陽丸の復元模型が鎮座している開陽丸記念館が現れます。
開陽丸(かいようまる)は、幕末期に徳川幕府がオランダで建造した軍艦で、戊辰戦争中に榎本武揚が率いる旧幕府脱走艦隊の旗艦となりました。明治元年(1868年)に北海道の江差沖で暴風雪に遭って沈没しましたが、その後、海底から引き揚げられた多くの遺物とともに実寸大で復元され、現在は北海道江差町に「開陽丸記念館」として保存・展示されています。
開陽丸がきっちり仕事をしていたら日本の歴史ももしかしたら変わっていたのかもしれない…と思わせる程の幕末の悲劇を伝える記念館は、引き揚げられた開陽丸の遺物が展示されています。

船体の一部とスクリューシャフトが無造作に置かれていたり

記念館の中には精工な開陽丸の模型が
で、記念館からふと海の方に目を向けると…

精工な模型も霞む原寸大の復元開陽丸が!
開陽丸記念館を訪れたなら、やっぱり訪れたいのはかもめ島です。
写真を撮り忘れたので、👆の江差観光協会様のHPから写真をお借りしています。

これは素晴らしい。江差のシンボルなだけの事はあります。写真左上の全景から開陽丸との位置関係が分かります。島の大部分を占める草地は実はキャンプ場!荷物を運ぶのが異様に大変だったり、全面的に斜度のある地形で非常に難易度が高いですがいつかは一度くらいは泊まってみたいキャンプ場のひとつです
(参考)ちなみに…開陽丸ではなく咸臨丸の終焉の地は木古内
開陽丸よりももしかしたら有名な咸臨丸も北海道道南で終焉を迎えています…前回記事のつながりで本記事では松前からスタートしていますが、木古内(松前よりも函館より)で座礁しています

開陽丸に比べると随分とミニチュア感漂う咸臨丸模型が終焉の地に設置されています。こちらは我が家のワンズが乗れる大きさ(笑)
乙部町エリア
ソーランラインの道南エリアにおける最重要絶景ポイントは、シラフラ~館の岬を巡る乙部町周辺になります。
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滝瀬海岸
シラフラ
滝瀬海岸はシラフラと呼ばれる白い崖が海岸線を500mに渡り形成する異様な景観が拡がります。なんだか地球じゃないみたいな違和感のある風景が目に飛び込んで来ます。
古くから「白い傾斜地」を意味する「シラフラ」と呼ばれ親しまれてきた滝瀬海岸は、高さ20mほどの白い断崖が約500mにもわたってそびえ立ち、異国情緒あふれる美しい海岸線を形成しています。
この白い断崖は約500万年前の火山噴火で噴出した軽石が海底に積もって出来た地層が隆起して出来たものと言われています。
現在では大変人気の観光スポットとなっています。

青い海、茶色い砂浜、白い壁のコントラストが日本じゃないどこかに迷い込んだようなシラフラの崖
くぐり岩
くぐり岩はシラフラへ行く途中にある岩。400年程前の慶長年間に乙部町の漁業と物流のため(ニシンを運ぶためらしい)に岩の下部を掘削した人工の「穴」
今はフォトジェニックポイントとして人気。この穴から館の岬が見渡せる

奇岩の多い日本海側エリアらしい景色がGoodです
なお、シラフラ海岸への行き方は、国道228号線で乙部町に入った後、「滝瀬海岸シラフラ展望公園」を目指して車で向かいます。公園の駐車場から階段を伝って海岸に降りることができます
館の岬
滝瀬海岸から車で10分も走らせると、東洋のグランドキャニオンとも呼ばれている館の岬(たてのみさき)が見えてきます。グランドキャニオンかどうかはさておき、これまた異様な崖の景色が拡がります
館の岬は、黒っぽい砂岩層(さがんそう)と、白っぽい凝灰岩層(ぎょうかいがんそう)が海底へ交互に重なって堆積した地層が、その後の地殻変動により陸上に隆起し、整然とした断層面を露出している岬です。
乙部町を代表する雄大な岬の一つで、小学校の理科の教科書にも掲載されるなど非常に貴重な自然の景観で絶好のビュースポットです。

山にみえる「おとべ」の文字がどうにもこうにもいただけませんが、これまた絶景と言って良い景色かと
なお、R229の館の岬トンネルですが、2021年の崖崩れの影響で現在も通行止めが続いておりう回路に案内されますが、手前の駐車場までは行けます
鮪の岬
「しびのさき」と呼ばれる「乙部崖三部作」(勝手に命名)のラストを飾る崖は、行った事が無いどころかその存在すら知りませんでしたが、本記事を執筆するに当たり色々と調べて見たところシラフラ、館の岬まで回っておいてこちらに伺わないのは画竜点睛を欠くと言っても過言では無いと思い、次回道南エリアに行く際には必ず立ち寄らねば。と思う次第
岬の形がマグロの背に似ていることや、独特の岩肌がマグロのウロコのように見えることから、鮪の岬と呼ばれています。この独特の岩肌は柱状節理と呼ばれ、壁の上部は不整形断面の蜂の巣状であり、下部は長さ8メートルから12メートルの柱状が、ほぼ垂直に海へ達しています。この独特な地層は、中新世に海中から噴出したものです。

画像は頂き物で失礼します。柱状節理の様子が良く分かります
せたな町エリア
せたな町の海岸線は、奇岩銀座ともいえる奇岩のオンパレード。ひとつひとつ停まって鑑賞する程ではないのですが、ドライブ中眠気に誘われる事もなく楽しく過ごす事ができます。
親子熊岩
ふたつの岩が寄り添うように並んでいる夫婦岩を過ぎるとすぐに現れるのが親子熊岩。親熊(大きな岩)が子熊(小さな岩)をあたかも抱いているかのような景色は思わず車を停めてしまいます。

これは本当に熊に見えます!熊の無効にも奇岩が見えますね
この辺りの奇岩をブログで投稿するつもりが無かったので写真が全然撮れていません(苦笑)どこがタヌキ?みたいな岩もありますが本当に楽しくドライブ出来ます!
三本杉岩
夫婦岩をスタートに奇岩エリアをドライブしてゆくと見えて来るのが三本杉岩。奇岩エリアのラストをしめくくる感じでそびえたつ岩はなかなかの迫力です。
三本杉岩は高さ30m前後で紺碧の海にそびえ立つ鋭い形の三つの巨岩です。上層部には岩松や寒冷地特有の植物が緑を添え、独特の風情をもっています。青い海と白い波、そして夕日に映えるシルエット、刻々と変化する情景が絶妙です。夜間はライトアップされ、ロマンチックで幻想的な雰囲気を漂わせています。
【規模】高さ約30m

ごつごつとした奇岩ではないですが、綺麗な形の岩が3本、海から突き出しています
風のまち寿都
せたな町の奇岩銀座ともいえる海沿いの道を走り、島牧村を超えると寿都町へ到着します。個人的には牡蠣小屋や道の駅すっつ等の海産品が非常に美味くとても好きな町のひとつです。
寿都町はそのカントリーサインも風力発電の風車である事からもわかるように「風のまち」と呼ばれており、町の至る所で風車が見られます。
平均風速6m以上の風が吹く日が、年間半分以上を誇り、全国的にも強風地帯として知られている。その風を利用した風力発電を、全国の自治体としては、初めて導入(平成元年)、現在までに11基の風車が建設され、総出力は1万6,000KW以上。
強風はクリーンエネルギーに姿を変え、まちづくりに還元されている。
風車はまちのシンボル。

ちなみに寿都のカントリーサインはもちろん風車

※ちなみにせたな町は三本杉岩と親子熊岩
弁慶岬灯台
寿都町の入り口の門番をしているかのような巨大な武蔵坊弁慶の像が異様な弁慶岬灯台は、北海道にも割と多くある義経伝説のひとつです。

海を背にしっかと立つ弁慶の勇ましい姿。なぜ北海道?というのはこの際置いといて
なぜ弁慶岬かは、その由来碑に詳しいです

義経とともに蝦夷地に落ち延びた一行。ここで弁慶は援軍の到着を待ち続けたという伝説だそうです
道の駅みなとま~れ寿都
寿都の道の駅は海産物が豊富で見ているだけで楽しくなる道の駅ですが、裏手がすぐに寿都の漁港ということもあり、イカ釣り船等の雄姿を楽しむ事ができます。

寿都の道の駅の裏手の漁港

イカ釣り漁船団の特徴的な照明がみられます
寿都浜中野営場
海沿いの強風エリアに風車とともに展開されている野営場。誰もいない海を独り占めできます!

平日限定。夕焼けの海岸線を独り占めできます
寿都湾元祖かき小屋
道南左回りの旅のしめくくりは寿都オイスタービレッジ。昔に比べ貝は小さく価格は高くなってしまい、経営母体が変わった?ってくらいの変貌が残念ですが、牡蠣食べ放題の破壊力はいまだに健在。目の前の海は本当に綺麗で癒されます。

海に向かって建つまさに牡蠣小屋

お店の目の前の海。思わずワンズと記念撮影

昔に比べると高くなったなぁ…と残念に感じますが、やはり貝の蒸し焼きの愉しさは別格
まとめ
道南左回りルートの旅は、ひとつひとつは他の破壊力高めの道内観光地と比べると正直「地味」なのは否めません。しかし、駐車場の空きを探すのも一苦労、美瑛富良野エリアや知床エリアのように「観光客を観に来ている」?と錯覚するくらいの人人人…とは皆無のエリア。
いつもよりスピードを落としてゆっくり景色を眺めつつ海の幸に舌鼓を打つ道南左回りの旅は、北海道に複数回訪れている人にはとてもおススメのエリアだと断言できます。
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