犬連れ旅 津軽海峡フェリーは快適そのもの

ここ数年毎年、北海道に避暑を兼ねてお邪魔している我が家。平均すると1ヶ月近くの長旅になる事が多く、なるべく出費は抑えたいものです。
東京から北海道に向かうフェリーに関しては、高速道路の深夜割引(これもいよいよ無くなってしまいます(号泣))を利用し仙台に向かい、仙台から苫小牧行きの太平洋フェリーで北海道に向かうのが総合的に見て最も使い勝手が良いため、仙台航路がほぼ我が家の定番となっていました。

今年(2025年)は夏休み真っただ中の7月末に行った(例年6月の梅雨時期を避けるように出発し、7月末の夏休みシーズン前に帰って来る事が多い)事もあり、仙台便のwith Pet Roomを希望する日程で押さえる事が出来ず、初めての青森発フェリー利用となりました。

これが意外にも快適そのものでした!

北海道行きフェリー航路のおさらい

東京から北海道行きのフェリーに関しては、以前当ブログにて整理したものがあるのですが情報としてはいささか古く(2018年執筆)、アップデートの必要性を感じながらも、なかなか手を付けられない状態が続いています。

更に今読み返してみると青森発のフェリー、津軽海峡フェリー/青函フェリー自体を「なかったこと」として候補にすら挙げていませんでした(苦笑)

改めて津軽海峡フェリー、青函フェリーも犬連れ北海道旅行において「使える」航路であるか否かの検証を行っていきたいと思います。

津軽海峡フェリー概要

津軽海峡フェリーは「青森⇔函館」、「青森⇔室蘭」、「大間⇔函館」間の3路線を有するフェリー会社。もとは東日本フェリーとして営業していたものを事業不振に伴い事業移管。うち大間便を除く2路線にはプライベートドッグルーム(犬と一緒に乗船可能な個室)あり。全ての路線にドッグルーム(犬を預けるケージが設置された部屋)があります。

青森⇔函館便

1日6往復12便

青森発→函館着

青森発 函館着
2:30 6:10
6:25 10:05
10:15 13:55
14:20 18:00
17:15 20:50
22:25 翌2:05

函館発→青森着

函館発 青森着
3:20 7:00
7:40 11:20
12:30 16:05
17:30 21:10
20:15 24:00
22:05 翌1:45

※出典:津軽海峡フェリーHPより引用
※通常ダイヤ8/19~12/29
※全便プライベートドッグルーム設定あり

朝の2時台から夜の22時台まで約4時間おきに出航しているため、旅の予定に合わせて出立の時刻を自由に決められる点が最大のメリットになります。

約3時間半の航海時間

時間帯及び青森発か函館発かで若干異なりますが、約3時間半という航海時間はちょっとウトウトと仮眠を取るうちに到着してしまう短さ。ただ、後述する大間便の1.5時間の短さ。仙台便の約半日の「ちょうどいい」長さに比べると3時間半とは何かをちゃんとやるには短い。ボーっとしているには長い。意外と中途半端な時間と感じたのはここだけの話です。

運賃・予約

  • 予約に関しては、窓口・電話・Web(PC・スマホ対応)と完ぺき。ネットから空き状況も把握できどこにもマイナスポイントが見つかりません。
  • 各種割引も充実しており、なんらかのお得なサービスを選ぶのが吉かと。
  • 運賃は乗船の時期、車種、部屋のグレードによって異なって来るので詳細はHPで確認が必要となりますが「犬連れ」、「避暑」の観点で簡単にシミュレーションを行うと…

※金額は「避暑」を考慮しC期間(2025年7月11日~8月18日)とする
※自動車は普通車(全長6m以内)
※家族構成は小学生の子供、犬2匹連れの計3人と2匹
※犬に関してはプライベートドッグルーム利用
※割引サービスとして「海割ドライブプラス」を適用(普通自動車+運転手+同乗者8人まで+スタンダード部屋定額料金)

海割ドライブプラス料金 17,800円
プライベートドッグルーム利用料金 12,570円
計 30,370円

プライベートドッグルームについて

青森⇔函館便に設定されているプライベートドッグルームは、乗客と犬が一緒に同じ部屋で過ごす事が出来る部屋で、フェリー1台につき2部屋の用意になります。

部屋自体は極めてシンプル。ベッド2台、TV、大型の空気清浄機、洗面台が付いてるのみ。ちなみにベッドはワンコの粗相防止&抜け毛掃除のしやすさを勘案しビニール貼り(非常に居心地が悪いのが難点)

この部屋の一番のウリは…

ドッグバルコニーの存在です! 犬専用のバルコニーが付いているのです。ワンコと一緒に甲板に出れるのです

部屋からそのままバルコニーにワンコと出る事が可能です。これは嬉しい!

こんな景色を犬と楽しむだけで、旅が1ランクグレードアップした気分

青森⇔室蘭便

一日1往復

青森発10:40 室蘭着17:25
室蘭発20:50 青森着翌3:50

7時間の長旅、一日1往復のみ。東京から青森までノンストップでも5時間以上をかける遠さで、フェリーに乗る時間は仙台便とそこまで変わらない(更にいえば苫小牧⇔室蘭間の移動を道央高速道を利用すれば約1時間で移動可)ともなると、よほどの理由が無い限り東京から北海道に行くためのフェリーとして選択肢から外れざるを得ません。

(参考)ファースト(わんこ同伴室)

青森⇔室蘭便には函館便とは異なりわんこ同伴室が用意されています。写真を見る限りではプライベートドッグルームよりも多少広い気がします。価格は10,190円~12,320円/1名(※ご乗船日により料金が異なります。)ドッグバルコニーあり。ご参考までに。

詳細はHPを参照の事

大間⇔函館便

津軽海峡フェリーは青森発着便の他に下北半島西北端の大間町発着便も運航されています。
函館の友人宅に寄った帰路に2度ほど利用していますが、本州⇔北海道間で1時間半という魅力もさることながら…

夏場は大間はマグロの旬ではないので実は近海物なのですが、生マグロ。そしてこの分厚さ!更に「大間でマグロを食らう」というイベント的な破壊力。全て魅力的なのです

一日2往復

函館発  大間着   大間発  函館着
 9:10   10:40     6:50   8:20
16:00          17:30   13:40         15:10

絶妙なダイヤ。函館発朝便に乗ればお昼は大間のマグロ確定です。また函館で遊んで夕方乗っても夏場ならばまだ明るい5時半には本州に到着です。その逆で大間発朝便に乗れば8時台に函館に着くので十分観光の時間が取れます。また大間でお昼にマグロ丼を食ってから乗れば函館に午後3時に到着です。

一見すごくよさそうに見えますが、大間の場所に落とし穴が…

青森市から大間町まで普通に運転して3時間かかります。また、道幅も狭くワインディングも多いです…更に大間町に着くまで気持ちの良い景色もあまりなく、途中観光といっても恐山くらいしかないという、「ただ単に走りにくい道を3時間移動するだけ」と言った地獄絵図が待っています。

たとえば、現在青森市に滞在しており大間発6時50分発に乗ろうとすると、チェックインを出発90分前に済ますと考えたら4時間半(余裕を見て5時間みておくのが賢明)真夜中の2時に青森市を出る必要があるという事になります…

現実解としては、前日に道の駅よこはまで車中泊し大間を目指すのであれば道中1時間半(+1時間半)で3時間前であれば朝の4時…全然現実的じゃなかったりします。

僕のおススメとしてはやはり北海道旅行を楽しんだ帰りに、グランドフィナーレとして大間のマグロを食べてから帰るというプランが良いかと。そう考えると、大間便に関しては「函館発9時10分、大間着10時40分」便1択となります。

わんこと一緒の部屋はない

但し大間⇔函館便には青森⇔函館便、青森⇔室蘭便と異なり、わんこと一緒の部屋が用意されていません。

イヌをあらかじめ設置されたケージにて預けるドッグルームのみしか大間便にはありません

そうはいっても冷暖房完備で航行時間90分という事を考えればこれで十分ともいえます。値段も距離が短いだけあって他の2路線よりも安い設定です(840円/匹)

運賃

運賃に関しては、上記2路線同様「避暑」目的としてC期間(2025年7月11日~8月18日)、自動車は普通車(全長6m以内)、家族構成は小学生の子供、犬2匹連れの計3人と2匹、プライベートドックルーム同等部屋グレードとして、ファーストシートとします。

  • 通常料金
    • 車両運賃 21,670円
    • 旅客運賃 4,090円(大人1人)、960円(ドライバー差額)、2,045円(小児)
    • ドッグルーム 1,680円(犬2匹)
    • 計30,445円
  • 割引料金(スーパー海割)
    • 車両運賃 13,000円
    • 旅客運賃 1,500円(大人1名)、750円(小児) ※但し部屋はスタンダードに限る
    • ドッグルーム 1,680円(犬2匹)
    • 計16,930円

スタンダードルーム(雑魚寝)ですが、90分と短い航行時間を考えればざっくり半額で乗る事が可能です。浮いたお金がそのまま大間のマグロに化けます!

青森便に対し搭乗するだけで5時間程時間がかかりますが、大間のマグロの破壊力魅力はかなりのもの…雑魚寝で犬はケージですが割引を利用すればその大間のマグロ代の殆どが賄えると考えるとかなり魅力的な航路だといえます。

青函フェリー概要

青森フェリーターミナル発着のフェリー会社には、津軽海峡フェリーの他青函フェリーが存在します。青函フェリーは1日に8往復16便と圧倒的な便数があり、その点では非常に魅力的な航路のひとつです。

ただ、犬連れ旅ユーザーにとっては致命的な点が…

Q:ペットと一緒に乗船できますか?
A:ペットはお車でご利用の場合のみご乗船できます。船内にペット専用設備がございませんのでペットを客室へお連れすることはできません。航海中ペットはお車の中で待機となります。一般徒歩でご利用の場合はご乗船出来ませんので予めご了承ください。

出典:青函フェリーHPよくある質問 を引用

車内にワンコを置いて行くという選択肢はたとえフェリー代タダですと言われても無いので、犬連れ旅としては、残念ながら青函フェリーを利用する機会はないと思います。

で、おススメの路線は?

個人的に最もおススメなのは

  1. 行きは青森FTで前日車中泊(津軽海峡フェリー、青函フェリーともに深夜早朝便があるおかげでターミナルビルは24hr営業しているため、トイレも利用可)
  2. 青森発6:25 函館着10:05の津軽海峡フェリー(プライベートドッグルーム利用、海割ドライブプラス適用)で朝から函館観光を満喫
  3. 北海道を楽しみ尽くす
  4. 函館発9時10分、大間着10時40分の津軽海峡フェリー(ドッグルーム利用、スーパー海割適用)
  5. 大間でマグロを心行くまで食らう
  6. 泣きながら3時間のドライブで青森市内へ
  7. この後東北を旅行するもよし、高速で東京まで一気に帰るもよし

僕ならこんな感じです。

やはり東京からですと仙台便が全てに渡ってバランス的にベストなのは言うまでもないのですが、ちょっとのんびり北東北旅行を兼ねて。「移動も旅行」を地で行く旅もとても楽しいものかと思います。毎回北海道に行くのに青森発はやはり辛いですがたまには良いかな。と、今回の旅行を通じで感じました。

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