レーベル判別法、前回の英デッカレコードに続き、今回は米ロンドンレコードについて整理します。ご承知の通り、ロンドンレコードは、英デッカがアメリカで展開する際のレーベルであり、英デッカの中核をなすレーベルです。
ローリングストーンズの初期のアルバムに関しては(ビトイーン・ザ・バトンズまでのアルバム)、ハリウッド・RCAスタジオやチェススタジオでのレコーディングがメインだったりする関係上、厳密にはUSプレスのアルバムのほうがその実態を体現しているといえ、英DECCAだけでなく、米LONDON発売のUS盤を押さえないと本来の姿が見えて来ないのは言うまでもありません。
また、英デッカはアメリカのレコード会社からイギリスでの配給権を得ることに熱心で、ブランズウィック、RCAビクター、アトランティック、フィレスや独ポリドールなどの録音をイギリスにおいて配給していました。この際イギリス国内で用いられたレーベルデザインはDECCAレーベルではなく、LONDONレーベルを用いていました。(Wikipediaより一部引用)
Contents
米ロンドン設立~1950年代
米ロンドンレコードは、1947年、英デッカ設立者でもあるエドワード・ルイスによって設立されました。もともと、英デッカの作品をアメリカで販売する際、同一資本の米国ブランチの位置づけだった米デッカが存在していましたが、第二次大戦のごたごたで資本関係が切れ、独立資本の別会社になった関係上、デッカという商標はアメリカでは使用できなくなっていました。従って、英デッカは、ロンドンレコードというレーベル名でオリジナル・ロゴが使用され、米国や日本も含む海外で英デッカのレコードを販売する事となりました。(Wikipediaより一部引用)
US LONDON mono OPEN LONDON LABEL(early 1960s~1965)
米ロンドンレーベルも英デッカと同様に、LONDONのロゴが四角い枠内にデザインされている後のBOXED LONDONレベルの前は、枠なしのOPEN LONDONデザインが用いられていました。基本オーブンロンドンロゴは65年まで使用されていましたが、そのバリエーションには大きく2つ(エラー扱い含め3つ)存在しますが、オープンロンドンの中での年代特定はかなり困難で、同じ時期で異なるデザインが混合して使われているのが実情のようです。
なお、レーベル面のSide One/SIDE ONE/SIDE 1表記などの表記揺れや、Made In USA表記ありなし、マトリクス番号表記ありなし、フォントサイズや種類の違い等の細かな違いは見受けられますが、どれも年代特定の決め手にはなりませんので本筋では無い故、ここでは割愛しています。
Variation1 : OPEN LONDON Top EAR ffrr Logo (early1960s~early1965)
・OPNE ‘LONDON’ LETTER Label
・ffrr EAR mark on TOP
・narrow belt on middle
※THE ROLLING STONES NOW!(1965年2月発売)に数は少ないですが、このレーベルデザインが用いられている(併行してオープンロンドンも使用されている)ところから、65年初頭までは当デザインが用いられていたものと想定しています。
※なお、NOW!の前のアルバム、12×5(1964年10月発売)に関しては、このレーベルデザインは私の知る限り用いられておらず、オープンロンドンが初盤と思われるため、耳ロゴ付き当該デザインは平行して使用されていたと当サイトでは判断しています。
Variation2 : ‘WITHOUT’ ffrr EAR Logo error design LABEL
Variation3 : OPEN LONDON LABEL (early1960s~mid1965)
・OPEN ‘LONDON’ Letterデザイン
・LONG PLAYING表記
・without ‘ffrr’表記
※LONDONの文字の上部に空きが殆ど無いことより、EARロゴとは全く別にデザインされている事が分かります。
US LONDON mono BOXED LONDON LABEL(late1965~1968?)
・BOXED ‘London’ LETTER logo
BOXED LONDONロゴがいつまで利用されていたを特定する事は意外と困難で、ローリングストーンズを例にとると、米国においてモノラル盤の発売はビトイーン・ザ・バトンズ(1967年2月)までで、次作のベガーズ・バンケット(1968年12月)以降、米国プレスのモノラル盤は発売されていません。これらの点を勘案すると、68年中には米ロンドンはモノラル盤での所盤発売を辞めている可能性があるのではないか?と、推測したうえで、今回は68年までと仮置きをしています。67年までが正しいかもしれません。これは引き続きスタディを進めていきたいと思っています。
なお、当該レーベルがいつから使われるようになったかは、割りとはっきりとしています。ローリングストーンズのOUT OF OUR HEADS(65年7月発売)はオープンロンドンが用いられており、December’s Children(65年12月発売)からボックスドロンドンデザインに変わっている事より、65年秋以降のデザイン変更である事が推測されます。
UK-EXPORT mono LABEL(1960’s)
・BOXED LONDON ffrr EAR Logo
・Maroon地
US LONDON stereo LABEL (early1960’s~early1980’s)
60年代初頭の疑似ステレオの時代を経て、米ロンドンのステレオレーベルデザインは一貫してブルー地にBOXED ‘London’ LETTER logoが主流となっていますが(モノラル盤と同様に、Side One/SIDE ONE/SIDE 1表記などの表記揺れや、Made In USA表記ありなし、マトリクス番号表記ありなし、フォントサイズや酒類の違い等の細かな違いは見受けられますが、どれも年代特定の決め手にはなりませんのでここでは割愛しています。)一部初期に見受けられるOPEN ‘LONDON’ Letterロゴや、ブルーではなくブラック等も見られます。但し、これらデザインは併行して使われている模様であり、これも厳密な年代特定の決め手にはなりにくく、頭の痛いところです。
Variation1 : OPEN LONDON LABEL (early1960’s~mid1960’s ?)
・OPEN ‘LONDON’ Letter
・BLUE地
・SILVER NARROW BELT STEREOPHONIC表記
Variation2 : BOXED LONDON LABEL (early 1960’s~early1980’s)
・BOXED LONDON
・SILVER WIDE BELT STEREOPHONIC表記
・BLUE地
毎度ストーンズばかりで恐縮なのですが、ローリングストーンズを例にとると、1965年末発売のDecember’s Childrenよりリアルステレオとなり、このBOXED LONDONステレオレーベルデザインが、米ロンドンの主流となります。それまでのUS LONDONにおけるステレオ盤は基本、疑似ステレオです。そして、レーベルデザインは先に見たOPEN ‘LONDON’ Letterと、BOXED ‘London’ LETTER が混在して見受けられます。感覚的に、オープンレターのほうが古い気もしますが、そこは厳密にはなんとも言えないところです。
なお、このレーベルデザインがいつまで使われていたかですが、BANANARAMAのDeep Sea Skiving(1983年発売 )ではBOXED ‘London’ LETTERが使用されていますが、翌84年発売のBANANARAMAではレーベルデザインが次のデザインに変更となっています。以上の事より83年~84年が切り替えの時期と推定する事が可能かと思います。
Variation3 : 80’s LABEL Design (1984?~)
・WHITE地
・TRIANGLE BOXED LONDON
US LONDONレコードのレーベルバリエーションについては90年代のLPにも同様のデザインが用いられている事より、これが最終形と考えられます。
UK-EXPORT Stereo LABEL (1965~???)
UK-EXPORT盤がいつまで制作されたのか全く分かりません。いつから。は、リアルステレオ録音が開始された前後と推定可能ですので、65年前後で合っているかとは思うのですがこれも定かではありません。
(参考)例外カラー
英デッカレコードにも存在する例外カラー(ROLLING STONESのBIG HITS/HIGH TIDE AND GREEN GRASS(TXSS101, Nov,1966)と、THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST(TXS103, Dec,1967))に関しては、ロンドンレコードの、UK-EXPORT盤においても存在が確認出来ています。
US LONDON 7inch
US LONDONの7インチに関しては、ロック世代(1962年以降)のレーベルバリエーションに関しては、基本的には5種類に分けられます。大まかな年代の区切りを理解していればそこまでレコ屋店頭で困る事もないものと考えられます。
Variation1 : 1962年以前
・BLUE地
・OPEN ‘LONDON’ Letter
Variation2 : WHITE/PURPLE LABEL (1962~1965)
・WHITE / PURPLE LABEL
・LONDON RECORDS RIM
Variation3 : BLUE SWIRL LABEL (1965~1976)
・OPNE ‘LONDON’ LETTER
・BLUE SWIRL
US LONDONの7インチのメインはこのブルー渦巻レーベルです。76年までこのデザインが使用されています。使用フォントや、SIDE1表記のゆれ、マトリクスナンバーの扱い等の細かな相違は当然存在しますが、年代特定の決め手にはならないので、ここでは本筋から外れますので割愛します。
Variation4 : SUNSET LABEL (1977~1980?)
・OPEN ‘LONDON’ Letter LOGO
・YELLOW SUNSET LABEL
基本再発で見かけるレーベルデザインです。70年代後半だな。と覚えておけばOKですが、このデザインがいつまで利用されていたかは厳密には良く理解していません…
Variation5 : 80’s LABEL Design (1980’s~)
なお、89年よりバーコードが印刷される以外、デザインは基本このようです。
(参考)Variation6 : US LONDON JUKEBOX EP LABEL
・BLUE地
・OPEN ‘LONDON’ Letter
・NO PUSH OUT CENTER
どのくらいの種類のJUKEBOX向けEPが存在するのかわかりません。ローリングストーンズに関しては5種類存在する事はわかっています(すべて同じデザイン)基本、レーベルバリエーションはこの1種類と思われます。
(参考)Variation7 : US LONDON 7inch PROMOTIONAL COPY
・OPEN ‘LONDON’ Letter
・ORANGE SWIRL
・★
米ロンドンレコードのシングルのプロモ盤は、オレンジ渦巻が特徴となり、青渦巻の通常版との区別は簡単につく事が可能です。ただし、このプロモ盤がいつまで発売されていたかについては僕は理解できていないので、もう少しちゃんと整理出来たら追記を予定しています。
UK LONDON LABEL
英デッカレコードが、米国各種レーベルと契約し英国内での配給権を積極的に取得した事は先に述べました。残念ながら実際何種類存在するかまで理解できていないのですが、自分が把握しているヴァリエーションを整理します。
Variation1 : OPEN LONDON ’AMERICAN SERIES’ (early~mid 1960’s)
Variation2 : BOXED LONDON ’AMERICAN RECORDING’ (mid 1960’s~1970’s)
Variation3 : BOXED LONDON BLACK LABEL (???)
米国レーベルの英国配給のための英LONDONレーベルに関しては、基本、OPEN LONDONとBOXED LONDONの大きく2つに大別されると考えられます。どちらもPURPLE LABELですが、VAN MORRIONのBLOWIN’ YOUR MINDに関しては、黒ラベルだったりします(黒ラべはこれしか所有していないのでわかりません)。
さいごに
煩雑になりましたが、以上ロンドンレコードの英米レーベルヴァリエーションは、僕が理解している限りこんな感じでしょうか。まだまだプロモ盤の扱い等不明な点もあるため、随時情報はアップデートしていければ。と思っています。
突然失礼します。
面白く読ませていただきました。
ご存知かもしれませんが ストーンズの
アメリカ盤のシングルには、Variation3 : BLUE SWIRL LABELで、ロンドンのロゴが白い文字の物が数枚あります。